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コラム 251 | 馬鹿げた国家予算 |
コラム 252 | 株式投資 |
コラム 253 | 純金(現物)投資 |
コラム 254 | 為替 |
コラム 255 | 初釜 |
コラム 256 | 国債買入1日5兆円 |
コラム 257 | 五類 |
コラム 258 | 10年で半値 |
コラム 259 | じわり人民元 |
コラム 260 |
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馬鹿げた国家予算
2022年度国家予算は107兆5964億円(2月22日成立)
第一次補正予算2.7兆円(5月17日閣議決定)
第二次補正予算29.6兆円(10月28日発表)
「国の借金残高」1255兆1932億円(6月末時点)(国民一人当たり約1000万円の借金)
国の債務残高2021年GDP比263%、ちなみに今年のGDPは552兆円(10月まで推計値) -
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2022年度国の税収見込み額は65.2兆円です。
2022年度赤字額は74.7兆円にも及ぶ天文学的金額です。
2022年3月末の家計金融資産は2005.1兆円です。
差し引き750兆円弱が家計金融資産として残っていますが、赤字が今年度のように続き、その上金利が上昇すると利払いが加算されますから、早い段階で立ち行かなくなります。
ご家庭で65万2千円の収入しかないのに139万9千円の出費ができますか?
不足分74万7千円は銀行などで担保(不動産など)を抵当に借金をするとします。
これを繰り返して、いつかの時点で担保割れが生じて追徴の担保を要求されますが、なければ終わりです。身ぐるみはがれて路頭に迷うことになります。
こんなことご家庭ではしないでしょう。
第二次補正予算は物価高、円安に対処するために総合経済対策を行うと岸田首相は説明しました。(10月28日)内訳は電気・ガスの高騰に対する補助金として1世帯当たり4万5000円を補填、出産時の助成金として10万円支給など。
同日、日銀の黒田総裁はインフレ率が3%になっているにもかかわらず頑としてもリフレ政策(インフレターゲット2%目標)堅持を崩さず、大規模な金融緩和政策を継続、世界中がインフレ抑制のために利上をしている中で真逆の政策を採り続けています。結果、世界の通貨に対して全面安を演じ為替は暴落、ドル円で100円前後のレートが150円台まで円安になり、コモデティー(商品)価格高騰で輸入物価は異常な高騰を見せています。
国民のインフレ負担軽減と称して補正予算を組んで赤字国債増発、結局は猛烈なインフレに見舞われて国民が大損(担保差し押さえ)し、政治家や官僚は責任を取らずにバトンタッチするだけです。
ご存じと思いますが、同じ島国のイギリスで先般金融騒動がありました。
ボリス・ジョンソン元首相が辞任した後、リズ・トラス前首相が就任して岸田首相と同じように光熱費を上限設定(年間2500ポンド)して半年で補填規模600億ポンドを実施すると表明、イギリスのGDPは約2兆3000億ポンドなので約3%規模のばら撒き政策、2年間の実施計画はGDPの10%にも及び、その上法人税や所得税の減税もシェアに入れているということなので大変です。
インフレ率10.1%の中での緩和政策はインフレに火に油を注ぐようなものです。
途端に英国債は暴落、イングランド銀行は緊急に国債買い入れを強いられ期限付きで行うと表明、行き詰まったリズ・トラス前首相は僅か44日の最短コースでの辞任劇となった。(イギリスの国の債務残高は2022年6月末GDP比101.9%)
後を継いだリシ・スナク新首相は元財務相でオックスフォード大学・スタンフォード大学院出の元金融マン、さすがに無茶な金融財政政策はとらず、最大500億ポンド(約8兆5200億円)の財政支出削減と増税による財政赤字削減に取り組む計画を発表しました。
この例が示す通り、裏付けのない予算は市場からNOを突き付けられて、国民がひどい目にあいます。イギリス国民はそのことをよく理解しているので政府に厳しい財政政策を要求しています。
日本国民はどのように思っているのでしょうか?
「借金大国」の顛末は歴史が示しています。
猛烈なインフレで紙屑になる「円」を後生大事に貯金して、それを裏付けに日銀が国債を買っていますが、担保切れがやってきます。
日本人は熱しやすく冷めやすい国民性、「円」を持っているとまずいと考える人が急増し他の通貨へ避難したら・・・。一気に円安が加速、国債が暴落・・・。
2000年の個人金融資産は1401.1兆円で、うち外貨性金融資産は13.1兆円ですから0.935%、 2022年3月現在の個人金融資産は2005.1兆円で、うち外貨性金融資産は67.6兆円で3.371%となっていますから、傾向はすでに表れています。
潜在的に円安(目減り)に危機を感じている方が国民性を発揮して雪崩のように実行に移せば「円」は紙屑になるでしょう。
政治家は国民の金を使って票田に予算をバラマキ、緊縮財政はとりません。
身を削る政策を標榜しているのは「維新の会」くらいでしようか。
前回、1970年時代のインフレを申し上げましたが、現在アメリカは当時より50%以上物価高ですからドル円レート150円は300円程度と同じ価値です。貧しい国民になったものです。やがて少し円高に振れますが元のような強い円は望めません。
その日が来る前に手を打っておく必要があると考えますが・・・。
どう思いますか?
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株式投資
インフレをどう切り抜けるか前回申し上げましたが、具体的にどうすれはよいか頭を悩ますところですが、例えば株式投資の一例で申し上げます。
投資スタイルも年齢や投資額によってアプローチが異なります。投資期間でも短期・中期・長期、又どこの国へ投資するか、優良銘柄・中堅銘柄・リスキーな銘柄など好みに個人差があります。いろんな投資スタイルが考えられますが、大切なことはご自分の大切なお金ですから、ご自分で熟慮して、ご自分の投資スタイルを確立することです。
人の考えに惑わされないことが肝要です。
私の例で申し上げますと長期投資で、これから発展しそうな国はどこか?
そして、どのような業種がこれから伸びて行きそうか?
等々調べた上で、その業界の個別銘柄についての財務内容を調べます。
その中からセレクトした銘柄を投資時期が来るまでじっと待ちます。
不景気になって株が暴落し、「株式の死」などとメディアが騒いだ頃から買いに入ります。
後は相場をできるだけ見ないように心がけて、連日の大商いで株が暴騰したニュースが報じられるようになると、売りにかかります。又、高配当銘柄など超優良銘柄があれば元値の分だけ売却して後は配当を受け取るいわゆる資産株に取っておきます。
投資サイクルは大雑把に4年に一度です。
昔、2012年の郵便局のキャッチフレーズに利殖は「退屈なくらいがちょうどいい。」というのが有りまして、私は結構このフレーズが気に入っていて、性分に合っています。
栄枯盛衰は世の常ですから伸び盛りの国へ投資することを心がけています。
日本の1970年(昭和45年)のGDPは3,203US㌦で、高度経済成長に突入した時期です。
大阪万国博覧会が開催されて日本国中がお祭り騒ぎの盛況な年で、この時期に日本の株へ投資していると、多少の上げ下げはありましたが、1989年年末には日経平均株価3万8915円87銭にまで駆け上がって、インフレをものともせず資産を増やすことができたはずです。つまり、上り調子の国では沢山上場企業が生まれて成長していきますから、そんな国に株式投資をして分け前を頂く方が成功する確率は高いと思っています。
その後バブル崩壊で大暴落を演じることになるのですが、約20年間は成長を遂げました。
一人当たりのGDP3,000 US㌦が経済成長へ入る一つの目安ですから、現在そのような時期に差し掛かっている国はどこか探すことから始める訳です。
東南アジアでは伸び盛りの国が沢山ありますが、別けてもベトナムは丁度その時期に当たります。
人口は1億人弱、細長い国で海洋・農耕民族、仏教国、平均年齢は32歳と若くて勤勉、真面目、日本人とよく似たお国柄です。独立後ソビエトに倣って共産主義国家でやってみて、どうもうまくいかないことに気が付き、ドイモイ政策(開放経済)に切り替えて実質的に資本主義国家として積極的な経済政策を採っています。
農業国から工業国への移行期で、農村から工業団地に人が流入して都市化が進展し、町は日々変化して高層ビル・商業ビル、高層マンションなど建築ラッシュ、インフラ整備も急速に進んで、ベトナム最大の商業都市ホーチミンでは日本のODA援助による地下鉄工事も完成間近で来年には開業予定です。
日本の1970年代を彷彿とさせる元気な国で、活気とやる気で満ち溢れています。
こんな国の上場企業へ投資すると良い結果が生まれるチャンスと考えます。
私は年を取っていて無理ですが、もう少し長いスパンを取れるお若い方はインドが楽しみな国の一つです。2030年には一人当たりGDPが3000US㌦に届く予想です。14億人を有する大国で、ゼロを発明した国柄とあって暗算は二桁で数学が得意、工学系大学卒業生は世界各国のIT関連会社から引く手あまたの状態で、先端産業ではインドの優秀な人材が欲しいと血眼になっています。
これから楽しみな投資先であることは間違いありません。
萎んで行く国へ投資しても儲かる確率は低いですから、世界に目を向けて伸び盛りの国に投資することをお勧めします。
あくまでもこれが私の投資スタイルです(笑)から、ご参考までに。
因みに、ベトナムへの投資タイミングは来年やってくると観ています。
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純金(現物)投資
前回インフレ時代の賢い投資方法に株式投資を上げましたが、もう一つに純金で持つことも有効な手段です。
何しろお札(日銀券)はドンドン目減りする憂き目にありますから、避難先を考えなくてはなりません。タンス預金やわずかな通帳残金であっても、不要不急のお金は純金に変えておくのも一つの方法です。
コモディテーにはいろんなものがありますが、商品(相場)は手元に置くことができないことと、値動きが激しくてとても素人では扱うには危険負担率が高すぎます。その点純金はグラム単位で買えて手元に置くことができ、国の政策に翻弄されないで済みます。(例えば新円切り替えで大打撃を被る等)
もともとお札は兌換紙幣でしたから各国とも純金を保有しています。
2021年各国の金保有残高を見ますと1位の米国が8133.47t(外貨準備高の66.6%)で世界全体に占める割合は23%、以下2位ドイツの3359.09t(70.6%)、3位イタリアの2451.8t(同66.9%)、フランス、ロシア、中国、スイス、と続き、日本は9位765.2t(2.5%)と外貨準備高から言って極端に少ない状況にあります。外貨がどんどんたまって儲かっていた時代にアメリカに気を使って米㌦(米国債)で貯め込んでいた日本と、同じく儲けていた時代のドイツは紙幣(米㌦)を信用せず純金で貯めていたお国柄の違いが表れています。外貨準備高の僅か2.5%しか持ち合わせていない国は異常としか言いようがありません。基軸通貨の米ドルは刷り放題ですから昨今の印刷ぶりから考えると相当な目減りになっており、日本はその直撃を食らって暴落の憂き目にあう日はそう遠くない日に訪れることが考えられます。
せめて個人サイドでは純金を保有して自己防衛をし、猛烈なインフレから大切なお金を守ることは理にかなっています。
純金は1970年1200円/g前後から1980年1月21日の6586円/gへと、およそ6倍の高騰を演じたインフレ時代が再現されようとしているわけですから、避難先の一つとして加えておくことは必要ではないでしょうか。
ただし、金利が付かないので超優良株へ投資して配当金や無償増資を頂くようなわけにはいきませんから、あくまでも余剰金を純金(現物)で持っておくことをお勧めます。
これからの10年を考えるとインフレヘッジが効いてくることがわかると思います。
現在の価格は8800円台/gから8500円台/gの間ですから純金10gで8万円台程になります。仮に1970年代のようなことが起きると10g/50万円程に値打ちが上がる計算になりますから一考の余地ありと考えますが、いかがでしょうか?
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為替
株・純金の投資について申し上げましたが、それは面倒だとお考えの方にもう一つの方法をお話しします。為替のことをご存じでしょうか?
外国に旅行されると基軸通貨の米㌦や、旅先の通貨に変えたりすることがあると思いますが、それを日本国内で行うのです。通貨を移動させて利益を得る方法です。
一番無難なのは米㌦ですから米ドルの通帳を作っておくことです。
日本円が高くなったら米㌦通帳に移し替えて、その後に日本円が安くなったら元に戻す作業を繰り返すだけで、為替差益が発生します。
最近だと2020年3月9日に101円17銭の円高になり、その後2022年10月17日に151円94銭の円安になりました。実に50.18%の振れ幅がありました。
ですから円高の時に米㌦通帳に移して、円安になったときに円通帳に戻すだけです。
手数料は取られますが、これだけでかなりの利ザヤが発生します。
今回は大幅な振れ幅でしたが2018年3月26日の円高104円54銭から2018年10月1日の円安114円54銭で9.56%、2018年12月31日の円高104円96銭から2020年2月17日の円安112円39銭で7.07%、2019年8月26日の円高104円44銭から2020年2月17日の円安112円21銭で7.43%、といった具合に1年~2年程でかなり動いていることがお分かりになると思います。
普通預金は現在ほとんど金利が付きませんが、通帳を二つ持って移動するだけで利益にあずかれるわけです。
おのずと毎日のニュースも気を付けますし、国際感覚も身に付きます。
只、日本円の通帳だけに入れっぱなしするのでなく、もう一つ米㌦通帳を作るだけで世界を見る目が変わりますから、一度試されてはいかがでしょうか?
以上、猛烈なインフレ時代を賢く生き抜く一例を申し上げましたが、大切なお金ですからご自分に合った戦略を立てて、それを実行に移して磨き上げ、より良き人生になることを願っております。
今年は40年ぶりのインフレ時代の突入や、ロシアがウクライナに戦争を仕掛けて悲劇が進行中であり、中国が虎視眈々と覇権国家を目指して軍備拡張するなど将に激動の1年となりました。
来年は平穏な一年が来ることを切望し、皆様にとって良い年であります様、心よりお祈り申し上げます。
今年一年、ありがとうございました。
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初釜
あけましておめでとうございます。
昨年は激動の1年でしたが、その流れを受けて今年も厳しい年になると観ています。
例年、お正月を迎えると正月飾りをして「お正月さん」をお迎えし、神棚に燈明と新酒をお供えして1年の無事を祈願します。
新茶のお抹茶を点てて、干支のお茶菓子を頂き、1年を通して「健康な食生活が送れますように」とお願います。
宇治上林三入様謹製のお抹茶「初昔」を兎毫天目茶碗に茶筅で二匙移して、南部鉄瓶から湯を注ぎ、茶筅で泡立て、茶碗の蒼に窯変からなる兎毫の景色にお抹茶の新緑が生えて味わい深く、お抹茶の香りが心地よく漂って、風味と喉越しを楽しみながら頂く至福のひと時、格別の美味を感じます。
昔の良き風習は継続して残したいものと心得て、今年も新春をお迎えすることができました。
皆様のご家庭ではどのような新春をお迎えになられましたか。今年が皆様にとりまして良き年であります様、心からお祈り申し上げます。
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国債買入1日5兆円
先日13日に日銀は国債を買い支えるために5兆円を費やした。
空恐ろしい出来事です。
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今後、米国は2月1日のFOMC(連邦公開市場委員会)でおそらく0.25%利上げし、次の3月22日にも0.25%利上げを行うことになると、日本と米国の金利差はますます広がって、また日本国債が売れて日銀が買い支えを余儀なくされる悪循環に陥っています。
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長期短金利操作(YCC:イールドカーブコントロール)の長期金利許容上限設定を引き上げて又国債が売られる、それを日銀が買い支える、又それを繰り返し、そしてインフレは猛烈に進むことになります。
このまま進むと金融機関は国債の暴落で打撃を受け、企業への貸しはがしが起こり、企業倒産が多発し、失業者が増えて、生活困窮世帯が急増することが考えられます。
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国債の暴落、猛烈なインフレ、円安、増税から国民は逃れることができるでしょうか?
すでに政府債務の半分以上を肩代わりした日銀に残された時間(金額)はそんなに多くないと考えざるを得ない時代に入っています。
10年を費やしたアベノミックス(リフレ政策)は破綻に追い込まれ、1日5兆円もの国債買い支えた日銀と、国会議員の野放図な国家予算策定は、責任を取らない放蕩息子の散財に親(国民)が犠牲になり貧乏になってゆくプロセスです。回避する方法は存在しません。
選挙でそのような政策を取る政党に投票した国民が悪いとシラを切る先生方の顔が浮かびます。
年金減額、医療費増額、諸物価高騰、消費増税等々税金取り立てプランは着々と進められています。
プランの一環として、河野デジタル担当大臣は、いつの間にか来年より健康保険証の代わりにマイナンバーカードで行うとして、従来の健康保険証は使用禁止にしてしまった。
将来、金融機関との紐づけで個人のお金の出し入れを、国がチェックする体制を整えてしまった。
搾取できるだけ搾取して、借金棒引き作戦を着々と進めている日本、現状に憂いを抱かずにはいられません。
皆様はどのように対処するおつもりですか? -
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五類
「五類」変更の恐怖
1月27日岸田首相から大型連休明けの5月8日より新型コロナウイルス感染症を「5類」に移行する旨発表がありました。
インフルエンザ並みの扱いになる訳ですが、「タミフル」のような特効薬がまだ開発されていない中での移行ですから大変気をもむ変更です。
私自身、若い時にインフルエンザに感染して大変な状態になった経験があります。
重症の場合でも自分の力で治すしか道はなく、後遺症が出た場合は回復に長い年月を伴い、程度の差はあれ闘いの日々が続きます。(後遺症が持病になることもあります。)
今回の変更で、若い方はすぐに平常生活に戻ろうとしますから、感染は無限大に広がり、特に高齢者や基礎疾患のある方々は、日々の行動に制約(自制)が伴う話で要注意です。 -
日本の100万人当たりの新型コロナ感染者死亡数は534.9人です。
1月24日現在の死亡者累計は6万5929人で、その内70歳以上の高齢者は4万8117人となっており、実に72.98%にも上ります。
マスク着用せず人ごみの中を自由に活動でき、若者はコロナ前の状態に戻ることを歓迎するでしょうし、女性は化粧もできて表情豊かな顔立ちが拝見できることも喜ばしいことです。 -
又、スポーツや娯楽、趣味、等々あらゆる場面が日常に戻るわけですから、良いことに違いはありません。
只、高齢者や基礎疾患をお持ちの方にとっては、当分の間大変気を使った日常生活を強いられる訳ですから、国はこのあたりの諸策をしっかりと決めておかないと問題になります。
感染者の発表も取りやめるようですが、情報不足から国民が気を緩めることを助長することに繋がります。
やはり「自分の身は自分で守る」しか道はなさそうです。
高齢者や基礎疾患をお持ちの方は、どうぞお気をつけてください。
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10年で半値
アベノミクスをご存じですか?
2012年に第二次安部晋三内閣が採用したリフレ政策です。
リフレ派でイェール大学名誉教授・内閣官房参与の浜田宏一氏等の政策助言で「インフレ2%目標」を掲げた経済政策です。
この政策実施に当たって政府と日銀の共同声明(アコード)で、政府は「政策を総動員して経済構造の変革を図り、持続可能な財政構造改革に取り組む」。日銀は「デフレからの早期脱却と物価安定のもと持続的な経済成長を実現するべく政府と政策連携強化を図る」。とあります。
10年に及ぶ今日までの結果、インフレはやっと目標に達し2%目標を飛び越え4%強となっています。
インフレ達成の原因は2020年3月新型コロナ感染が世界中に猛威を振るい、新型コロナでサプライチェーンの生産停止や物流の遮断の渦中、政府はヘリコブタ―マネーを国民一人10万円、持続化給付金等々手厚いバラまき政策を行って市中にお金が溢れ、消費に向かった結果品不足から一気にインフレに火ついてしまったのです。
とりわけ原油価格高騰はすべての商品に波及しますから、世界中がインフレの猛威にさらされて各国中央銀行は一斉に利上げに走りました。(しかし日銀だけは動かず。)
一番の問題は政府と日銀の共同声明(政策取決)を反故にした政治家ではないでしょうか。
コロナ対策を千載一遇とばかり自分の票田に予算付けして使い放題、次の選挙を有利に持ち込もうと計略を建てた結果、膨大な借金地獄に陥っています。
国民はたまったものではありません。
この10年間で、米国ドルに対して日本円は半値になり、その米ドルは主要通貨に対して2割ほど減価していますから4割程度に暴落した勘定です。
日本人は本当に貧乏人になったのです。
国債残高も300兆円程積み増されて1300兆円近くに膨らみ、「赤ちゃんから老人まで一人あたり1000万円もの借金をどう返済するつもりですか」と政治家に尋ねたら、「答えは歴史にあります」と答弁するのではないでしょうか。問題先送りでその政治家は現役引退して無罪放免、最後は国民が後始末に追われ「ガラガラポン」で終わるのでしょう。
この難局を切り抜ける手段は、まっとうな国に移住するか、ほとんど絶望的な道として選挙で財政構造改革に真っ向から取り組む善人を選ぶか、または別の道があるかもしれませんが・・・。
そんな中で4月から日銀の新総裁に植田和男氏が就任されますが、どのような金融政策を採られ、政府とどう向き合われることでしょう。 -
皆様は、この難局をどう切り抜けると思いますか。
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じわり人民元
現在、国際決済は基軸通貨米ドルを中心としてユーロ、英国ポンド、円、そして中国人民元などで行われています。
各国の金融機関同士を結ぶ送金システムがあってスイフト(Swift)と呼ばれて、200以上の国や地域の11,000余りの金融機関を結んで国際送金を一手に引き受ける「コルレス銀行」が行っています。
この度、ロシアによるウクライナ武力侵攻に伴いロシアへの制裁措置として、この中継基地スイフト(Swift)を遮断しました。
ロシアの石油や天然ガスは今の所制裁からは外れているものの、制裁対象になることを恐れて、決済通貨に自国のルーブルや人民元に切り替えを図っています。
中国はこの機を「千載一遇」のチャンスと見て人民元決済を推し進めており、中露二国間取引を人民元に切り替えて取引しているようです。また、スイフト(Swift)に対抗した中国版国際銀行間システム(CIPS)での決済を、他の国々に対しても働きかけを行っています。
又、ロシアの「金」保有量は2022年に2298トン、中国が2010トンと2012年比でそれぞれ2.4倍、1.9倍と大幅に増やしており、制裁に備えを進めています。
このように金融面においても中国を中心とした金融ブロック化はますます強まりそうです。
只、「グローバル・サウス」と呼ばれるインドを中心とした新興国130ヶ国程がどのようなスタンスを取るのか、注視する必要があります。
何しろインドは昨年GDP(実質国内総生産)6.7%で名目GDPは3兆3800億ドルで英国を抜き去って5位に浮上し、2027年には日本を抜いて世界第3位の経済大国になる見通しで、2022年の人口は14億1700万人で中国の14億1200万人を超えて世界一を擁し、今後人口減少が加速する中国とは対照的に2060年頃まで増加すると予測されています。2022年の一人当たりGDPは2500ドル弱で、2025年には3200ドル程に増加して高度経済成長期にさしかかると予測されています。
伸び盛りの国インドが中立を保ちながらリーダーとなって第三極を束ねて力を発揮すると、中国の思惑通りに覇権国にのし上がれるかどうかわかりません。現在の覇権国アメリカとの三つ巴になるかもしれない難しい時代を迎えようとしています。
とっくに成熟期を迎えて落ち目の日本と違い、20年後30年後には中国、インド両国は世界をけん引する大国に成長してきますから、日本はアメリカ一辺倒でなく中庸を行くのも火の粉を被ることから逃れる手段と考えます。
軍事大国であり、国際金融でも着実に頭角を現した中国は、隣国であり長い歴史的関係から、東洋文化を持ち合わせる先進国として、間合いを取りながらお付き合いすることが肝要ではないでしょうか。
難しい時代に入ったことは確かです。
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農家が8割減る日
農家が8割減る日(日経新聞)
そして、「主食イモ」覚悟ある? -
日経新聞2023年9月18日掲載「一億人の未来図」の見出しタイトルです。
以下、記事を抜粋します。 -
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農家の戸数は2020年107万戸から2050年17万戸へ激減と推計(三菱総合研究所)、
2023年2月現在、農家数は農業法人も含めて92万9千戸、2022年時点で自営農家の平均年齢68.4歳、65歳以上が86%を占める(農林水産省)。
2016年~2021年の収穫量をそのまま減少率に合わせると、ホウレンソウは2049年にゼロ、
大根は2050年に半減し、カボチャ4割減、果物のサクランボ、ナシはゼロなる。
主食のコメは2050年に291万トンと2022年比で56%減少する(三菱総合研究所)。
需要より100万トン不足が生じる。
直近の食料自給率(カロリーベース)は38%、アメリカは110%、ドイツは80%となっており、G7では最低。農水省の試算で一人当たりカロリー摂取量を2168キロカロリーと推定して、コメと麦を可能な限り作付けしたとして1720キロカロリーしか摂取できない。
イモ中心だと2368キロカロリーで必要エネルギーを補うことができると試算している。
他方、廃棄食糧は年間523万トンにも及び、一人当たり茶碗1杯分が毎日捨てられている。
政府は食料確保に向けた法整備に農政の基本理念や政策の方向性を示す食料・農業・農村基本法の見直しを進めている。
5月の中間とりまとめでは効率的な農業経営の推進や農家が持続的に作物を生産できる価格への引き上げなどを掲げている。
以上 -
日本の国土の現状から小規模経営にならざるおえない制約、儲からないから若者が参入しない制約、労働条件が過酷な制約、見た目が魅力的でない制約、村社会の悪習からの制約、法整備がうまくいったためしがない制約等々、長い農家の歴史から脱却つまり日本文化の改新を行わなければこの問題は解決できない。
食料生産者の窮地を救う手立ては、日本国民が歴史に立脚して、「令和改新」ができないものでしょうか。こればかりは「外圧」がかからない。
あと一世代先の未来図を現世代に理解して頂くことは至難の業でしょうか。